スポンサードリンク
原泰久×永井豪 泣きながら描いた「キングダム」を語る 手塚賞


第17回手塚治虫文化賞の贈呈式が5月31日、東京の朝日新聞社であり、記念イベントのトークショーでマンガ大賞を受賞した「キングダム」(集英社刊)の原泰久さんが、選考委員でマンガ家の永井豪さん、編集者の中野晴行さんとともに受賞作を振り返った。


こんなトークショーあったのか
改訂版デビルマン(1) (KCデラックス)改訂版デビルマン(1) (KCデラックス)
永井豪とダイナミックプロ

講談社

Amazonで詳しく見る


永井豪:僕は今回審査の直前まで(「キングダム」を)知らなかったものですから、中野さんがあまりに推しているので、29巻を毎日6冊一気に読みまして、読み出したらやめられないぐらい夢中になってしまって、他の作品の印象がすっとんでしまいました。
「キングダム」がすごいのは、中国の歴史と歴史上の人物であっても、そこに作者の想像の産物が山ほど入っていて、英雄豪傑それぞれのキャラクターが立っているんですね。しかもそれがきちんと描き切れている。最近プロのマンガ家でも、キャラクターが多いと描き分けられない人が増えている。

今回のノミネート作品の中では明らかにキングダムがずば抜けてた、面白くて気にしてなかったけど描き分けも凄い

中野:兵隊をいっぱい描いていますよね。もうちょっと手を抜いたら楽なのでは?
原:「戦場」を描きたいと思って、この「キングダム」を始めたんですよ。細かく描いて説得力を持たせて、そこをリアルに感じさせて初めて人間のぶつかり合いや激情が伝わるので、いまだにスタッフはいやな顔をしていると思いますが、手加減なくやっています。

キングダム 一騎闘千の剣キングダム 一騎闘千の剣
Sony PSP

コナミデジタルエンタテインメント
売り上げランキング : 4928

Amazonで詳しく見る

中野:原さんも佳境のころは、ほとんど寝ないわけですね。
原:そうですね。けっこう無理していたらちょっと心臓を悪くしたんで、今は努めて寝るようにしています。
中野:原さんは体を壊すほど描き、泣きながら描くとインタビューを読んでいたことがあるんですが。
原:登場人物の誰かが死んだ時に感極まって……。
永井:マンガってね(作者が)キャラクターに感情移入すると、いくらでもエネルギー使っちゃうんですよね。1日5食食べても太らなかったり。そのぐらいのエネルギーを出していかないとキャラクターが動いていかないというか。絵を描くというよりは、自分の思いを絵にとじ込んでいくような感じがしますよね。
原:ネームの段階で、ファミレスで描きながらまず1回泣いて。ファミレスにはしょっちゅう行くんで、自分はあまり気にならないんですが店の人が奥の方に通してくれるんです(笑い)。で、原稿(描き)の時も同じところで思い出して、また泣きます。僕の仕事場は泣き顔やしかめっ面を見られないようにアシスタント同士向かい合わせて、僕の机だけ横を向けています。

体調に関しては一時期ツイッターでも呟いてた

中野:「キングダム」はまだだいぶ続きますよね。
原:(今の)倍ぐらいは続くと思います。

この対談の時点で30巻まで出ていたので完結は60巻位?

■始皇帝の描き方
中野:気になるのが(一般的には)始皇帝というのは悪い王様ということになってまして、「えい政」(後の始皇帝)はこのまま(のキャラクター)でいってしまうとすごいいいやつですよね。しかもどんどんよくなっていっているので、このままだと「スターウォーズ エピソード1」の「アナキン・スカイウォーカー」のように、どっかで「暗黒面」に入っていっちゃうんじゃないかと思うんですが。
原:「キングダム」を始める前には始皇帝が悪いイメージの人だったのですが、史記を研究した本を読んだ時に、違う見方があって新鮮でした。それには、史記は始皇帝を倒して出てきた漢王朝時代にできた書物なので、倒した王朝のことを悪く言うのはセオリーだとあって、史記を丸受けするのは違うかもしれないとひらめきました。始皇帝が成し遂げたものは確実に残っている。初の中華統一という偉業はプラスの面に変えました。始皇帝は焚書とかひどいこともやったけれども、そこにドラマとして作り込んでいこうと思います。名君だけど武力統一した結果、秦の国はすぐに滅びてしまった。そこがまた答えでもあるのかなと思っています。


「キングダム」の次
中野:「キングダム」の次の作品の予定は?
原:「キングダム」(を描くの)はかなり疲れるんで、息抜きで違う話を考えてるんです。歴史物とは真逆の未来もの。ガンダムみたいなロボット戦争、宇宙戦争、ぼくたちの先の人間たちのことを書いてみたいなと思います。<略>
原:ガンダムに負けない大きなものを狙って描きたいです。キングダムが終わってからかな。

メカ描けるのか
中野:原さんも幸せですか?
原:はい。表現者側にいられるというのが幸せです。ぼくは30歳で連載が始まったんですが、それまでサラリーマン(システムエンジニア)をやっていたんで、いま、やっと表現者の仲間入りができて、楽しくてしょうがないです。
永井:描いている時がが生きている感じがしますよね。マンガ家は自分の内面をさらけ出さなきゃならない。恥をかくつもりで、自分はこんなことで泣いたり笑ったりするんだぞということを出していかなきゃいけない。それができなければマンガ家にはなれません。
中野:やなせたかしさんは「絵を描く、詩を書く、恥をかく」の「恥をかく」が一番大事と言っていました。
永井:そうですよ。恥をかけばいいんです。


METAL BUILD デスティニーガンダム
figma 進撃の巨人 ミカサ・アッカーマン (ノンスケール ABS&PVC 塗装済み可動フィギュア)
RAH 式波・アスカ・ラングレー
GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE RX-0ユニコーンガンダム2号機 バンシィ
RAH NEO エヴァンゲリオン改2号機
RAH NEO エヴァンゲリオン8号機β
ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ 桐条美鶴 (1/7スケール PVC製塗装済み完成品)
リボルテックヤマグチNo.138 エヴァンゲリオンMark.09